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わたしの名は紅

「いまや死体だ、わたしは。屍だ、この井戸の底で。」

 なーんて冒頭から面白そうで、去年購入してみました。
初めてのオルハン パムク(Orhan Pamuk)の本。
06年にノーベル文学賞をとった人です。藤原書店から出版。

 この小説、ひとつの殺人をめぐる、簡単に言ったら推理小説みたいなものなんだけど、
一章、一章が、違う人の視点で描かれていて面白い。
人間以外でも「わたしは金貨」とか「わたしの名は死」とか
極めて抽象的なものまで、主としての視点となっているの。
...と言いつつ、
文章が難しい(というか読みにくい。訳されているからかな?元々なのかな?)のと、
オスマントルコ時代の美術や画師達の歴史をわたしが全然理解していないのと、
本が分厚くて外出時にバッグに入れられなかったことと…って色々で、
途中で放り出していた本でした、実は。

 で、今は時間がまとめてとれるから、がーっと読んでみました。改めて。
色々制限の多い妊娠生活だけど、こういったまとまった時間がとれることは、嬉しい☆
でも難しくって、またまた時間がかかった上に、内容は半分も理解していないかも(笑)。

 実はオルハンパムクの本、留学中に隣人のイギリス人に「new life」を借り、
これまた冒頭が面白そうで、わくわくしていたんだけど(英文の本でわくわくするなんて
滅多になかったので)、理解困難で、これまた10ページくらいで断念してたの(笑)。
でもその貸してくれた彼(彼は村上春樹や阿部公房も絶賛してくれた)も、
トルコ人の友達も、オルハンを大絶賛していて、
日本に帰ったら日本語訳で読むぞーっと思っていたんだけど、
日本語でも理解できないなんて…とほほ。
あーでももう一度チャレンジしてみようかなあ。

 しかし、やっぱり外国の文学って、訳によって読みづらかったりして
(訳者のせいにしてる…012.gif)、なかなか入り込めないのが多いような気がする…。

 全然違う本なんだけど、久々に外国文学でヒットだったのが、去年読んだものだけど
☆「風の影」カルロス・ルイス・サフォン/集英社文庫☆
☆「わたしを離さないで」カズオイシグロ/早川書房☆  でした。

 この二つ、「外国文学ってなぁー」って思っていた私の考えをかなり覆してくれたので、
かなり色んな人にお勧めしているんだけど、でもあんまりみんな読んでくれていない
みたい…。くすん。風の影は特に、素晴らしすぎて何度も泣いちゃったくらいなので、
是非是非、読んでみてください!文庫本なので、手軽ですよ。

 ...それにしても今日は本当に温かいですね058.gif
ウォーキングしていても、少し歩くだけで汗、いっぱいかきました。
でもやっぱり、太陽のパワーってすごい。元気になりますね066.gif

by lilacyu723 | 2008-04-15 15:58 | film&books  

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